↑↑これ、めっちゃ面白そうなんですけど。東京かぁ~~。↑↑

本当のIAとは何か?

IAって何?


IA(アイ・エイ)。Information Architecture(インフォメーション・アーキテクチャー)の略。他にも情報設計、情報アーキテクチャーとも呼ばれます。また、その専門家のことをインフォメーションアーキテクトと呼び、これをIAと略すこともあります。



IAのことを既に知っている方は、「Webサイトで設計とか情報の整理する人でしょう」と思っていませんか?ネットで検索すると、そんな感じのこと書いてるサイトがいっぱい出てきます。

すみませんが、それは半分は正解ですが半分は間違いです。

IAの能力があれば、Webサイトの情報整理や設計「」できちゃうだけです。世の中にはサイト設計ができるだけでIAと名乗っている人がたくさんいますからご注意を。

IAと言えば「図書館学(図書館情報学)」と連想される方。それが正解ですよね。

IAとは図書館学を基にした、情報の整理、組織(構造)化とそれに対する検索・取得のアクセス方法の構築を行う技術です。

(余談:例えばIAではカテゴリーは分類と検索を区別する。整理して収めることが目的であれば「カテゴリー分類」。探してアクセスすることが目的であれば「カテゴリー検索」。ECサイトの商品カテゴリーは「カテゴリー検索」でなければいけない。これを「カテゴリー分類」でやってしまうと商品が探しにくくなる。同じ商品の集まりであっても分類と検索ではカテゴリーのまとめ方が異なるということ。)

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だから、IAはWebサイトだけでなく、組織設計、ビジネスモデル設計、マニュアル作成、やろうと思えばバーテンダーが使いやすくお店の売上もあがるバーのお酒の並べ方や居酒屋のメニュー編成まで、人間の視覚や聴覚で「情報」として処理されるものの全てが整理・定義・整頓・アクセス設計可能なのです。

これが「IA=Web設計」ではなく「IA≧Web設計」の理由です。

IAという能力・技術がWebサイトの設計において注目を集め、少しずつですが知名度が上がってますし、「IA=Web設計」を必死になって否定する必要も感じません。むしろ、IAの技術がWebサイト設計に大変に適していることは確かなことです。

しかし気をつけなければいけないのは、「IA=Web設計」レベルの人と「IA≧Web設計」レベルの人が設計したWebサイトでは、できあがるWebサイトが全く異なると言う点です。

「IA≧Web設計」がWebサイト構築に有意義な理由



図書館に行くと、借りたい本が所蔵されているか?貸し出し中か?などを、コンピューター端末で簡単に検索することができます_し、本があればどこの棚にあるかも知ることができます。
まだコンピューターが普及していなかった30年前は、カード型(ハガキの半分くらい)の「蔵書目録」という検索システムが一般的でした。カードが複数の小さな引き出しに入っていて、目的の本のカードをまず見つけるとそのカードに本の棚の位置が書いてあるというものです。

(余談:実際の本の収蔵は「カテゴリー分類」。蔵書目録は本を探すための「カテゴリー検索」。本はジャンル>タイトルで並べられるが探すときは著者>タイトルで探すことが多い。配列目的、識別目的とも言う。)

そして図書館のすごいところは、今後どのような本が出版されるかわからないのに、新たな書籍が加わった時にその本がどの棚のどの本とどの本の間に収まるか決まっている点です。

あれ?何か感じた方いませんか?

リニューアルしたWebサイトにコンテンツを追加しようしたら、追加費用を払う改修が必要になったという経験や話がありませんでしたか?

「IA≧Web設計」レベルの人がWebサイトの整理・設計を行うと長く使えるWebサイトが構築できます。デザインのトレンドはどうしてもありますから、ある程度たつとリニューアルは必要ですが、それでも一度本当の専門家が設計したサイトはデザインリニューアル程度で済みます。(故に安く、担当者の労働時間も短縮できます。)

IAは、サイト構築を必ず収める面と探す面の両面から設計します。こういった点が図書館学の論理を整理・設計に持ち込めるかどうかの違いなのです。

また、Webはもともと論文を閲覧するために開発されました。論文の検索・閲覧を効率的に行うために図書館学(図書館情報学)が用いられた歴史もあります。ですから、「ヘッダー(header)」「ディスクリプション(description)」「index(トップページのファイル名)」など図書館学の分類・検索の考え方が現在のWebにも残っており、基本的な技術を支えています。

本当のIAに出会えたら、それは幸運


国内でも情報設計やサイト設計の書籍はそれなりに出ています。しかしその多くがHowTo本であり、基礎論理を地道に固めるためのものではありません。私の場合は師弟関係で師匠からみっちりと鍛えられた経験があるため、多くの基礎を溜め込むことができましたが、そうでなければIAの習得は道のりが長く大変難しいものであると思います。

私自身が自分のIAスキルを貴重なものだと感じているので、このブログで少しでも多くの方に役立つ記事を書いていければと思っています。

もし、Web担当の皆様がIAの専門家に会える機会に恵まれたなら、是非にそのご縁を大切にしてください。

あ、その時は質問することをお忘れなく。
「図書館学とか勉強されたんですか?」


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